そう諦めていた時

彼と出会った。




彼は、今までに出会ったことのないタイプで

私の心が読めるの?ってくらい
話していて心地よくて。
私の心に踏み込んでくるのも、
絶妙なラインだったから。
全く嫌な気分にならなくて。


どんどん会話が弾んだ。


彼の好きな音楽、
彼の好きなゲーム
彼の好きな漫画


たくさん教えてくれて。
一緒にしようと誘ってくれて。



感性や感覚がものすごく似てる私達だったから。

彼のお陰で



少しずつ少しずつ
彼と一緒に、
楽しい
とか、
これ好きだ
とか

そういう感覚を思い出した。



これが彼でなく、他の人なら。
きっとこうはならなかっただろう。






乾いてカサカサになっていた私の心に、
じんわりじんわり
水を注いでくれたのは彼。




そしてお互いにどんどん惹かれ合い

男性から愛されることを、男性を愛することを
思い出させてくれたのも彼。



彼には恩がある。
私がまた私らしく生きていけるようになったのは、彼のおかげだから。

彼がいたから今の私がある。

彼に出会わなかったら今もきっと



母のことを強く思い
旦那と離婚した後も
淡々とした毎日を繰り返し
死んでいくだけだっただろうと思うから。


彼には返しても返しきれない恩がある。




彼がこのことを知ったらきっと、

俺は俺のしたいように行動しただけ。
恩なんて感じるな。


って笑って言うだろうけど。



彼には、恩がある。




彼と出会った時
私の心は渇ききっていた。



彼と出会う半年前に、私の母が他界した。

母が他界する前、2年近く母の介助を続けていた。介助があれば日常生活ができていた母。

ある日いつもの薬をもらいに病院へ行ったら、たまたま少し悪いところが見つかって。
良かれと思って入院したはずが、
入院して2週間ほどすると
容態が悪化した。


それでもいつか家に帰ってこれると、諦めずにいたけれど。
そのまま帰らぬ人となった。


病院でガリガリに痩せていく様を3ヶ月見続けた私は精神的ダメージが大きくて。

この頃体重が10キロ近く落ちた。
食べれなくて、食べてもすぐに吐いて。
元々体重がそこまでなかった私は
ものすごく痩せた。


旦那とも不仲。
相変わらず冷たい旦那は
当然慰めてくれるわけでも、
心に寄り添ってくれるわけでもない。



私の心には
ぽっかり穴が空いていて
何をしても虚しく満たされなくて

ただ淡々と毎日を過ごすだけになっていた。


何を見ても
何をしても楽しくない。
子供のお世話はするけど、
以前ほどやり甲斐も感じなくなっていた。
心から笑えない。


虚無。




独身時代にしていたことをすれば
少しでも何か心が潤うだろうか

そんなことも考えて、
昔していたゲームや聴いていた音楽を引っ張り出し、
がむしゃらに
自分の本来の姿を取り戻そうとあがいていた。


でも、ダメだった。
当時と同じ感覚になれるわけでも、
心が満たされるわけでもなく


もうきっと。
以前の自分には戻れないと

日々淡々と過ごして
死ねばそれでいいか、
死ねば母に会えるだろうか
そんなことばかり考えてた。



彼と会う時は
なるべく彼の予定に合わせる。



なぜなら、
彼が泊まりで私の地元に来てくれることが多いから。


泊まりなら、奥さんに怪しまれないようにしなければならない。



私は友達と遊ぶ日が2日続いてるとかなんとか適当に言って。泊まらずに、連続して2日会う形を取れば怪しまれないけど。彼は泊まるならそうはいかない。

どうしても彼の方の負担が大きくなるから、会う日は彼主導。



でもそれでいいと、それが当たり前だと思ってる。



来てくれるのだもの。
彼の負担を考えるなら、彼の予定に合わせるのが当然。




今後は奥さんの目はないけれど、子供のことがあるから。
きっと冬休みとか夏休みとか。
長期実家に預けられる日しか会えない。


だから、

きっとこのままずっと

彼の予定に合わせることが続くのだと思う。



でもそれが嫌だとか
彼の方ばかりに従ってるとか

そんな気持ちは湧かない。


彼がそれで都合がついて
助かるのなら、


私はそれでいい。











↑このページのトップヘ